時は来た!……そして去り行く

プロレスラーの橋本真也が、今日脳幹出血で亡くなりました。享年40歳です。
 
僕がプロレスにハマりだした頃、新日も全日も主役は若いレスラーたちでした。三沢、川田、武藤、蝶野、そして橋本。若い彼等は上の世代の大物レスラーたちにぶつかっていき、新たな時代を造り上げようとしていきました。
その後、15年以上もの間、彼等は時代を引っ張っていきました。昔、ぶつかっていった大物レスラーたちと同じ年齢、それよりも上の年齢になってしまいました。
今度のNoahの東京ドーム大会で三沢と川田が恐らく最期になるだろうシングル対決を行います。蝶野はクビが悪く、もう第一線でやるのは厳しくなってきています。武藤は今では全日の社長です。……そして、橋本が死んだ。
時代は、今変わろうとしているのかも知れません。
 
橋本はデブだけど強さの象徴でした。
彼はIWGPチャンピオンとして新日本プロレスを長い間、引っ張って行きました。小川直也に負けて、一度引退するとなった時には、その強さが崩れそうになりましたが、その後復帰して、自分の団体ZERO-ONEを立ち上げていくことで、リングの上だけではない、人としての大きさを見せることになりました。その後、小川とタッグを結成して活躍し、全日の三冠チャンピオンにもなってもう一華咲かせることができました……が、団体や経営、私生活などのイザコザでZERO-ONEが潰れ、一緒にやってきた仲間たちも橋本のもとを離れ、肩の手術のため長期欠場することになった……その復帰に向けた最中の、突然の死。
 
橋本は人としてだらしないところがありました。はっきり言うと子供だったのです……しかし、だからにくめない人であった、素晴らしい愛されるガキ大将だったのです。
故に大人の事情に振り回され、挫折を何度も味わされることになったのです。自業自得もあるとはいえ、無念だったでしょう。
しかし、親友であった蝶野のコメント*1が救いになる……そんな気がします。
 
僕は今日はミュージカルを見に行く予定でしたが、今の心情ではまともに見ていられる自信がないので、家に帰って酒を飲んでいました。
夕食に何かないか、棚をあさったら橋本の写真がパッケージを飾っている「ハッスルカレーポーク」が出てきたので、それを食べました。
そのうちにテレビのニュースで橋本死去のニュースが始まり、テーマ曲の爆勝宣言が流れました。……また、泣きました。
 
今日は涙と思い出を肴に酒を飲みます。
天国で、出来なかった冬木*2とのシングルマッチを実現してもらいたいです。……それを観戦しに行けないのは残念ですが。

*1:「本人がエンジョイした人生だったらそれで良いと思うよ、俺。前から『太く短く生きる』って言ってたしね」グラサンをかけながら言っていたけど、多分、目を見せたら泣いちゃいそうだったんじゃないかなぁ……

*2:癌が再発した冬木が最期に戦いたいと橋本を指名。しかし病状が悪化し、試合を行う前に死亡。試合の日、橋本は冬木の遺骨を抱いて電流爆破のロープに自ら飛込んだ。……その後、橋本と冬木未亡人の不倫の噂もあったが、この二人なら、笑って試合をしてくれるだろう