こんなギルド辞めてやる!(まだ未完)

今日はサークルでGMです。
システムはアリアンロッド*1……MMO風味のライト感覚ファンタジーTRPGです。
戦闘をメインとしたわかりやすいシステムで、廉価な文庫で基本ルールが出ていることもあって、今、かなりの人気作となっているようです。

それで僕がGMをやることになったのですが……この世界の冒険者はギルドという集まりを作る習性があります。しかし、組織があれば、派閥争いや、人間関係の軋轢が生じるのはヒトとしてのサガ*2なのです。
そこで今回のシナリオはギルドの後継者争いということで行こうと思いました。普通の冒険は他にやる人がたくさんいるし、僕はちょっとハッチャケてみるかと。

ギルド“黒獅子の拳”のメンバー

まずPCから

デクス・ワームド(ヒューリン*3、男17、ウォリアー)

ハーフアウリル(人狼族)の少年。その生まれのためか孤独な子供時代を過ごすが、その分、友を作ろうと明るく振る舞う。
今はチャーリーンの舎弟分となっている。

コカ=スーリエ(ドゥアン、女16、メイジ・ニンジャ)

屈強な身体を持つ有角族だが、生まれつき虚弱体質でドロップアウト気味。これではいけないと一念発起して、“黒獅子の拳”に入る。
その実直な性格にフュフィーナから一目置かれている。

393(ヒューリン、男6(外見20)、シーフ・バード)

一見普通の吟遊詩人の青年だが、実はある組織に作られた人工生命体で、暗殺などの裏稼業に従事していた。しかし、ある時“ライオンロード”の活躍を目の当たりにして感銘を受け、裏稼業から足抜けをして、“ライオンロード”の活躍を語り継ぐために吟遊詩人として“黒獅子の拳”に入った。
ちなみに名は「サクサン」と呼ばれている。
 
こちらNPC

“ライオンロード”トニー(ヒューリン、男40前後、ウォリアー・サムライ)

“黒獅子の拳”の創設者にしてカリスマ。

“ドラゴンマスター”フュフィーナ(エルダナーン*4、女外見10代後半、アコライト・サモナー

創設当初からのメンバーでトニーに心酔している。優しく理知的だが、それが悪い方向に出ると決断力のない八方美人になってしまう。

“レボリューションウォリアー”チャーリーン(ヒューリン、女26、ウォリアー・サムライ)

トニーにスカウトされてギルドに入ってきた。体育会系のノリで行動力に富んでおり、慕ってくる者への面倒見も良いが、強引で思慮に欠けることも多い。

“ワイルドイーグル”(ドゥアン、男外見40代、ウォリアー・モンク)

ギルドのナンバー2。冒険者としては引退しているが、裏方を担う温厚な人物。

“リトルスチール”アハマイ(フィルボル*5、男28、アコライト・モンク)

ギルドの突撃隊長。若手の良い相談役。

“サムライ”シロー(ヒューリン、男21、シーフ・サムライ)

チャーリーンの子分。

名冒険数え歌(セッションレポート)

“黒獅子の拳”はカリスマ的ギルドマスター“ライオンロード”トニーが率いる冒険者たちのギルドである。
トニーたちの英雄的な活躍に魅せられた若者たちが次々とギルドの門を叩くが、実際の冒険は厳しく(トニーが好んで困難そうな依頼を受けるというのもあるが)、長くギルドに残るのは一握りに過ぎない。
そしてまた、デクス、コカ、393の三人の若者が新たにギルドの仲間となった。彼等は他の若者たちのように姿を消していくのだろうか、それとも英雄としてギルドに名を残すのか……。
 
街中が炎と悲鳴に包まれている。
妖魔の軍勢に襲われた街の人々を救うため、“黒獅子の拳”のメンバーは闘い、駆け回っていた。
若き三人に与えられた使命は街の人々の避難誘導。逃げ回る人混みの中で転んでしまった女の子を救い、立ち塞がるゴブリンを打ち倒して、無事避難を終了させる。
ただちに敵将と戦うトニーのもとに急ぐ三人。街の中央の広場ではトニー、フュフィーナ、チャーリーンの三人がトロウルウォリアーたちと闘っていた。
次々とトロウルを打ち倒すトニー。そして、トロウルたちのリーダーに斬りかかる! 肩口から切り裂かれたトロウルウォリアーはそのまま倒れ伏すかに思われた……しかし、まだ息絶えていなかったトロウルの一撃が完全に油断していたトニーを襲った。
次の瞬間、トニーの体が宙を舞い、そのまま大地に投げ出されて、トニーは気を失ってしまった。
すぐさま、チャーリーンがカバーに入り、フュフィーナの召喚した竜の王の一撃でトロウルたちは打ち倒された……。
 
「大丈夫ですかトニーさん!」
「……うっ、俺は……負けたのか?」
「いえ、フュフィーナさんたちがトロウルにトドメをさしましたよ」
「そうか……ぶざまだな……」
そう呟くトニーの顔は一気に年老いてしまったかのように見えた。
そして、その日の晩、みんなが宴会で盛り上がる中、トニーは人知れずギルドハウスから抜け出して……失踪した。
 
次の朝、トニーの置き手紙を発見したワイルドイーグル*6はフュフィーナとチャーリーンの二人を呼び出す。
そして30分ほどの話し合いの後、ワイルドイーグルはフュフィーナを新たなギルドマスターにすることを宣言した。
 
それから一ヶ月。
トニーの失踪と共に多少の離脱者は出たものの、ギルドはつつがなく運営されていた。トニー時代との違いをあげるなら、地味な仕事が増え、リスクを避けるようになったという所か。
それに関して、チャーリーンはあきらかに不満を募らせているように、デクスには見えた。
 
ある日、一つの依頼がギルドに来た。街の壁の近くに突如、謎の大樹が現れたというのだ*7。そして、その大樹の周囲には妖魔の姿が見受けられるという。
そこでフュフィーナはコカの提案を受けて、街の警護と大樹の探索の二手に分かれて妖魔と対峙することに決めた。
PCたちを連れて大樹に潜入したチャーリーンは今までの鬱憤を晴らすかのように獅子奮迅の活躍で妖魔を打ち倒していった。罠や大樹のコアには苦戦したものの、妖魔の将を退治して街に戻ったチャーリーンが見たものは……街に入り込んだ妖魔を倒して、街の人々に英雄として讃えられるフュフィーナの姿だった。
何とかフォローしようと活躍を歌にして街の人々に伝える393。しかし、チャーリーンは背を向けて立ち去ろうとする。呼び止めるフュフィーナにチャーリーンが怒鳴りつける。
「あたしはお前の引き立て役じゃねェ!」
 
さすがにこれはヤバいんじゃないかと話し合うPCたち。冒険後の宴会でも早めに切り上げるフュフィーナと、仲の良い奴等だけを連れて街にくりだすチャーリーン*8の派閥に分かれてしまっている。
ここはトニーさんに頼るしかないと、トニーがよく山籠もりしていた山へ向かう三人。
その山で野営をしていると、火に焙っていた肉や魚の匂いにつられてトニーが姿を現す。
「ふ〜ん、ギルドも大変だなぁ。まあ、そのあたりは若い者で頑張れっていう事だ! 俺には関係ないぜ」
そんなことを言うトニーに三人は泣き付いて、なんとか一度はギルドに顔を見せてくれるように約束を取りつける。
 
そして三人がギルドに戻ると、なにやらチャーリーンを囲んで盛り上がっている。
アハマイに話を聞くと、どうやらある誘拐事件の調査の仕事を行っている際に、チャーリーンが独断でアジトに乗り込み、そこから犯罪組織を壊滅させたという事。
「リスクがどうこう言う奴がいるが……危険に突っ込むから冒険者なんだ、それを乗り越えてこそ英雄になれるんだ!」
……一方、フュフィーナはその輪から外れて、ひとり今回の事件の残務処理をやっている。
 
それからはギルドの主導権は、事実上チャーリーンに移った。そして彼女はそれに答えるように華々しい成果を成し遂げていった。
【もうチト完成まで待っててね】

*1:公式には何故かALAと略されているが……僕は敢えてAロッドと略す!

*2:注意! このシナリオは別に僕の参加しているサークルで起きた出来事とはまったく関係ありません! モデルは別にあるので、深読みせぬように

*3:いわゆる人間族

*4:いわゆるエルフ

*5:いわゆるハーフリングやホビットやグラスランナーみたいなもの

*6:人間不信と呟いたかどうかは知らない

*7:元ネタはAロッド基本ルール添付のシナリオです……まあ、基本設定を拝借したってカンジですが

*8:アイスペールに酒を注いでデクスにイッキを求める。躊躇しているとペールに宝石を放り込み「飲み干したら、やるよ」と言う……そんな飲み方