『スマリの森』遠藤淑子

「誰も悪くはないんだ。きっと、ただ知らなかっただけだ」
 
北の大地に住むアルビノのキタキツネ、スマリ。
毒を飲んで衰弱したキタキツネ、車にひかれてしまった兄弟、捨てられたアライグマ、寂しく死んでいく野犬……スマリと幼い兄弟たちは様々な悲しいことや(彼等にとって)不思議なことと出会いながら、明るく自然の中に生きていきます。
 
このマンガ、僕の友人たちには、キツネたちが人間の姿で描かれている為に、なんか評判悪いです。それに対して僕も「まあ、この作者は画力ないから……キツネの姿で物語描くの、無理」と言い訳にならない発言をしてしまいました(・ω・`)
けれど、僕はこの作品が好きです。動物を人として描きすぎているけど、世界の厳しさと悲しさと、動物の優しさと愚かさと温もり、その向こうに見える(届かないかも知れない)希望……作者の遠藤淑子の描くそんな(少し切なげな)世界が好きなのです。
そんな厳しくも優しい自然に生きる、静かで思慮深く優しい白毛のキタキツネ、スマリの住む森に皆さん訪れてみてください。