閉塞する因縁

今日は天羅万象ゲームマスター
 
天羅万象井上純弌デザインの戦国和風ファンタジーTRPGで、ルールサマリーの基本中の基本ルールという項目の冒頭に「カッコイイかどうか、それが重要なことだ」と書いている、そんなゲーム。
天羅の世界は面積も人口も戦争の規模も我々の知る戦国時代の10倍以上で、そんな世界を、乗り込み型ロボットの“鎧”や、体に埋め込んだ珠の力で変身パワーアップする“サムライ”、怪しい術を使う“陰陽師”や“忍”、己の体内に飼った蟲の力を使う“蟲使い”、美しき自我持つ人形“傀儡”……こんな奴らが暴れまわっている。
しかし、キャラクターたちはそれぞれのテーマとなる「因縁」を抱いている。それは過去のトラウマだったり、生き様であったり、絆やしがらみであったり、希望であったりする。
そこでブレイヤーは自分のプレイヤーキャラクターの持つテーマを読み取り、「因縁」に関連したカッコイイロールプレイを行いながら、「因縁」を書き換え昇華していく……そして、その結果、物語がうまれていく……天羅はそんなゲームなのである。
 
天羅は結構古いゲームだ。それを何故、今立てるのかというと、このゲームは自分のキャラクターのテーマ掘り下げと、他のPCとの絡み、そしてその演出をしていかなくては回らない為、プレイヤーの技量が試されるゲームなのである。
僕はこのゲームをサークルの若手の育成用として準備したのだ。
若手たちがこのゲームをやることによって、セッションをつくりあげる技術とキャラクターを掘り下げて表現する技術に気付き、身に付けてくれることを僕は期待していた……。
 
結果は正直失敗だった。失敗も大失敗、自分を罵り、天に呪いの言葉を吐き捨てたくなるくらいの、失敗だった。
セッションは一応成功している。しかし、天羅を立てた目的からは失敗している……いや、それどころか大きな壁にぶつかってしまったかのような気分だ。
 
何が悪かったのだろうか?
始めに色々と説明しすぎて、難しいからセッションが上手く行くように噛み砕きすぎて、プレイヤーたちが迷ったり試行錯誤することなく、上っ面だけなぞるようなセッションになってしまったからか。
それとも、PCの因縁を描くためにテーマを問いかける話をNPCがしすぎて、展開がグダグダになり、逆にPC間の絡みを阻害してしまったからだろうか。
それとも、僕が難しいと言ったアーキタイプをプレイヤーが選んで、そして、僕が警告した問題を乗り越える事ができず、予想通りの失敗をしたからだろうか。
それとも、あれだけ言ったのに、PC同士が「因縁」について絡まず、自己完結してしまったからだろうか。
それとも、プレイヤーたちが最後までPCの物語的ポジションと役割というモノに無頓着だったからだろうか。
それとも……。
 
少なくともわかるのは、僕が口を出し過ぎたのが悪いという事だ*1。優しくする必要はなかった、むしろ失敗すれば良かったんだ。
プレイヤーたちが悩み、試行錯誤し、自分達で何とかしようとあがき、不格好なモノを作り上げる……そして、何が悪かったのかと皆で考えてもらえばよかったのに。
僕はそれに堪えられず、安易な方法を選んでしまった……コンベンションとかの外行きのスタイルに慣れすぎて殺那的な成功を求めてしまったというワケか。
だから、あとでこの埋め合わせはしようと思う……どんなカタチになるかはまだ、思い付かないけど。

とりあえず教訓

  1. 可愛い子には失敗させろ。過保護になるな、悩ませろ。
  2. マスターが難しいと言ったキャラはホントに難しいから、余程信用できない限り、選ばせるな。
  3. 自己完結はTRPGの敵。皆でやるゲームなんだから、回りを観ろ。

*1:もちろん、セッション中にああしろこうしろと口を出したわけではない。成功するように手取り足取りやりすぎたということだ