僕の生きる月

ワーウルフ:ジ・アポカリプスにおいてガルゥ*1は五つの宿月によってその性質と役割をあらわされる。
トリックスターたる新月のラガバッシュ、精霊と語る幻視者である偃月のシーアージ、唱い掟をまもる調停者である半月のフィロドクス、伝承とこれから創られる叙事詩を詠う語り部である隆月のガリアルド、そして、戦士たる満月のアーローン……この五つの月に導かれたガルゥたちが、己の役割を理解した上で、力をあわせガイアの敵と戦うのだ。
 
僕は今までにラガバッシュとフィロドクスとアーローンのキャラクターを創ってきた。
ラガバッシュをやるのは楽だ。口先三寸で人と物事をおちょくり、時に硬直しがちなガルゥたちの考えや行いに涼しげな風穴を開ける……そんなことを面白おかしくやればいい。
フィロドクスも楽。気性の荒いガルゥたちのいさかいをなだめ、知識をもって判断を下す。責任はあるけれど自分を省みなくてイイから、人のことだけ考えていればイイから、楽にできる。
アーローンはちょっと苦手。
現実での僕自身は闘いは好きだけど、TRPGのなかでは戦いに臆病になる。何故、命を奪うのか、何故、自分と仲間を危険に晒すのか……ダイスを振るのは好きだけど、キャラクターを描こうとすればするほど、戦闘の意味が重くなり過ぎてしまう。
それで、前に僕が創ったアーローンは臆病なアーローンだった。宿月だから、戦う事に高揚感を覚えてはいても、忌腹*2だから、自分が行動を起こして良いのか皆の顔色を見てしまう。
無視されたりいじめられたりするより、戦いで傷つく方がイタクない。自分が弱いから、更に弱い者を守ってやりたい……そう生きたいけど、何かオドオドしてしまって上手くいかない、そんなブラック・ヒューリー*3だった。
 
そして、今回はガリアルドに挑戦。
部族はウクテナ*4で、舞台が北海道だったのでアイヌ系の女子高生。
昔から色々なお話を聴くのが好きで、今回も仲間からいろんな話を聞き出そうと、面白くなるようにあおってしまう……やばい、やばい、己の中のラガバッシュにながされるところだった。
色々と変なこともしちゃったけど、仲間たちを見つめ、詠い、鼓舞していく。
「わたしたちは勇敢にこの試練に立ち向かわなくてはならない。だって、この行いがわたしたちの歌になるから。そして、わたしたちの英雄譚がこれから来る若き仔たちの魂を奮い起たせ、新たなる戦いへ鼓舞するように……だから、恥ずかしいまねしてられないでしょう。がんばらなくちゃ」
やっと、ガリアルドとして生きていける気がしてきた。

*1:このゲームにおいてプレイヤーが演じることとなる人狼、その種族の自称

*2:ガルゥ同士が情欲に溺れて、つがって産まれた禁忌の仔。ガルゥは通常、人か狼との間に子をなすが、ガルゥ同士で子をなすと奇形の子が産まれてしまい、その子は忌腹としてうとんじられる

*3:弱者を守り、それを虐げ抑圧する者たちをぶちのめす怖いお姉さんたちの部族。弱者は女子供で、ぶちのめす相手は粗暴な男たちだと思えばほぼ間違いない

*4:色々な秘術を知り、精霊とも仲が良いネィティブアメリカン系の部族